ハモコミ通信2024年12月号
生活に取り入れたり、仕事で生かすなどしていただけると本望です。
◎陰口との付き合い方(ハモコミ通信2014年10月号◆
自分が陰で悪口を言われているらしい。Yさんは、社内の噂を耳にしました。気にしないように努めても、心に引っかかり、仕事に集中できません。
ある先輩に相談すると、「私も陰口に悩んだこと がある」と言うのです。Yさんは驚きました。先輩は人柄も温厚で、周囲から信頼の篤(あつ)い人だったからです。
さらに先輩は、「でも『陰口は、言われても言わないようにする』と決めたんだ。それからはそんな自分に誇りが持てるようになったよ」と続けました。
その言葉を聞いて、先輩が信頼される秘訣がわかったような気がしました。
「誉め手千人悪口万人」と言われるように、人を悪く言う人は、いつの時代も、どんな場所でも多いものです。
また、「名人は人を謗(そし)らず」という諺(ことわざ)もあります。
陰口を反面教師として、自分には厳しく、人には優しさを持って接していれば、陰口を言う人からも 「ありがとう」と感謝される日が来るかもしれません。
自分は人の悪口は言わない。そう心に誓って、毅然(きぜん)とした態度で仕事に臨むようになった時、Yさんの耳に、陰口は入ってこなくなったのです。
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<コメント>
この先輩、そう決めた後も、しばらくは陰口が続いていたのかもしれません。
しかし、周りの状況はどうであれ、意思を持って決めたことを行っていくことで自分に誇りが持てた、と。
Yさんの場合も、心が定まり、それと一致した行動をとったことで、ご自身のエネルギーレベルが格段に上がったのでしょう。
これはいろいろなことに応用できそうです。外野の声をむしろ奮起の材料として、自分の心を高めていき、それにふさわしい行動をとっていく。
それはその人の成長そのものと言っても過言ではないと思います。
こういう事例をたくさん知ることで、ものごとの対処の仕方を磨いていきたいですね。
◎百回聞かれても(ハモコミ通信2016年7月号◆
A子さんは聡明な努力家です。難しい仕事も完璧にこなします。
その一方で、人に対して、やや厳しい側面を持っています。部下から同じ質問をされると、「前にも言ったよね?」と冷ややかに対応してしまいます。
家庭でも同様です。高齢になるにつれて、物忘れが多くなってきた母に対して、「何度同じことを言えばわかるの!」と、強い口調で責めてしまうのです。
ある日講演会で隣に座った人と、名刺を交換する機会がありました。相手の名刺には、会社のキャッチフレーズが書かれていました。
『私達は同じことを百回聞かれても笑顔でお答えします!』
その言葉を見た瞬間、《 自分に必要な言葉はこれだ!》 とひらめいたA子さん。同じ質問をされても、百回までは許そうと心に決めました。
職場でも、相手の話に耳を傾けているこの頃です。
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<コメント>
A子さんは聡明な方ということですから、部下や母親に対して厳しく接しつつも、そういう自分に時折自己嫌悪のようなものを持っていたのかもしれません。
心の奥に引っかかっていた 『こういう自分を変えたい』 という意識があったからこそ、名刺のキャッチフレーズを見て一瞬でひらめいたのでしょう。
前のコラム同様、これまでの自分と違うスタンスをとると決めて実行することで、小さな変化が起き、その積み重ねがその人の人間性を創り出していきますね。
1つ、問題意識を持つこと。2つ、気づいたらすぐすること。3つ、良いと思ったら続けること。
私も認知症の母と向き合う時、百回の笑顔を心します。