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米鶴の酒づくり vol.2 〜 〈常務取締役 杜氏 須貝 智〉

常務取締役 杜氏 須貝 智
「和醸良酒」、
蔵人や会社全員との
チームワークが不可欠。

酒づくりへの思い

米という無味無臭に近い穀物を原料にして、麹菌と酵母の二つの微生物の力を借りて馥郁としたフルーティな香りで味わい豊かな酒ができる不思議。その造りに携われることは喜びでありロマンでもあります。

私が大切にしていることは「和醸良酒」という言葉です。
読んで字のごとく、和が醸す良い酒ですが杜氏一人の力では酒造りは出来ません。蔵人とのチームワーク、会社全員とのチームワークが不可欠です。酒にたいする「気持ち」を蔵人全員で共有したいと思っています。

現在、米鶴は非常に良い環境の中にあります。
自然の豊かさもさることながら、良質の酒米を蔵の周りの田んぼから手に入れることが出来ることです。高畠町酒米研究会を組織して、地元農家(含蔵人)、地元農協、県の指導機関と一体となって良質米生産に励んでいます。

酒造りは農業との共生なくしてはありえません。
米の作り手はだれなのか、酒の造り手はだれなのかお互い顔の見える関係は非常に重要です。また会社の目の前がお客様たちと手植えした「亀の尾」栽培田で、毎日稲の成長が見られ心落ち着く場でもあります。まさに「米からの酒造り」を実践しています。

現在の課題や取り組んでいること

まだまだそれぞれの酒米が持つ固有の旨味を引き出し切れていないので、
種麹や酵母との相性を見ながら試行錯誤しています。

試行錯誤というよりは葛藤しているといったほうが当たっているかもしれません。

今後について(構想や挑戦したいこと)

米鶴にはオリジナルの酒米「亀粋」があります。
亀粋は幻の名品酒「亀の尾」の変異種で、1993年に日本の蔵元として初めて
品種登録を得ることが出来た米鶴独自の酒米です。

現在米鶴では鑑評会レベルの酒は兵庫・山田錦を使用していますが、
これからは亀粋を使用して鑑評会にも挑戦していきたいと思います。

まだ米作りの担い手はいるのですが、次の世代が問題なので
米鶴が中心になって営農法人を立ち上げて酒米作りを行っていく必要が出てくるかもしれません。

米鶴酒造に関わる取引先やお客様へのメッセージ

米鶴のお酒はファーストインパクトはあまりないのですが、
飲むほどにうま味が冴えてきて、後味がスーッと切れるすっきり感が特徴です。
雪国らしいやわらかで素直な香味の酒を造っています。

米鶴の酒を飲んだら山間の酒蔵や二井宿の田んぼの情景が浮かぶような酒を、
これからも醸していきたいと思います。

常務取締役 杜氏 須貝 智

昭和53年3月入社
平成10年より製造責任者(杜氏)
現在、常務取締役 杜氏

昭和31年生、山形県南陽市出身、明治大学農学部農芸化学科卒
現在、南陽市在住、妻、三男、四男、五男と同居

2014.01.01:[米鶴の酒づくり]
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